平成18年12月のひとりごと

あっという間の一年が過ぎました。
お蔭様で、多くの方にご贔屓をいただき順調な一年でございました。
皆様に心からお礼を申し上げたいと思います。
でも、一年を振り返ってみると、今年は芸者衆が長期的に体調をくずしたり、結婚してお仕事を辞めるなど、お約束通りのお座敷をつとめられず、お客様に大変ご迷惑をおかけしたことも多かったと思います。

最近では、大変嬉しくありがたいことではありますが、ご予約を頂く内容が数ヶ月先から長いものでは1年に及ぶ場合もあります。芸者衆の人数に限りがあったり、また体調の問題等で、長期的なご予約に対し、どうお約束をはたしていけるのか、思い悩むことも多々ある今日この頃です。
せっかくご予約を下さったお客様に対し、本当に申し訳なく思いつつ。
今後ご期待にそえるお座敷をつとめる為にどうしたらよいのか・・・
これからの課題が山積で現状では花柳界の存続に不安を感じずにはいられません。
でも来年は、一歩一歩前進できるように、現状もふまえて、前向きに歩んでいきたいと思っております。

皆様にも是非ご理解とご協力を頂ければ幸いでございます。

来年もどうぞよろしくお願い申しあげます。

 

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平成18年8月のひとりごと

八王子俄(にわか)

八王子のにわか、(俄、或いは、仁輪加、二○加とも記す)とは、織物の街として隆盛を極めていた頃の八王子花柳界の行事のひとつで、真夏に行われる八王子祭りの風物詩でありました。
祭りの山車と共に、芸者衆が花柳界の俄か山車を作り、三味線、太鼓、笛、当り鉦などを演奏しながら、八王子を練り歩きました。
ガチャマン時代には、一回練り歩くと機場の旦那衆からご祝儀が、ン十萬と投げ込まれたそうです。

もともと「俄」とは、江戸吉原の祭りであった「吉原俄」が有名です。

「吉原俄」とは、八月の朔日(朔=さく、ついたちのこと)を略して八朔、といい、徳川家康がこの日に江戸城に入場した記念日を祝って、各大名が白い帷子着て登城したそうです。
それに倣い、江戸吉原では遊女が揃って白無垢を着たそうですが、外見は白一色と清々しいですが、残暑厳しい中での盛装は楽ではなかったことでしょう。
その後花柳界では、芸者衆が8月の暑い最中に、黒の引き着を着て、ご贔屓へ挨拶回りに行く慣わしになりました。
吉原ではこの日から「吉原俄(にわか)」が始まりました。俄、というのは即席演芸で、芸者や幇間(たいこもち)が廓内の街頭で繰り広げ、いわば吉原のお祭りでもあり、出入りも自由で無料だから、八月いっぱいは見物客で大賑わいとなったそうです。
初期の頃の八王子(にわか)では、芸者衆が、鶴、亀などのお面をかぶって、俄か人格となり芸を行っていた様です。

八王子では、芸者衆の減少により、俄かも途絶えましたが、おととし、多くの方のご理解とご協力により、40年ぶりに復活することができました。
写真は、中町の町会の皆様の手作りによるにわか山車に乗り、今年の八王子祭りに参加した芸者衆の風景です。
今後も、このような、どこか心楽しく なる伝統的な風物詩を復活して、皆様に少しでも楽しんで頂ければと考えておりますので、どうぞご協力下さいます様、お願い申しあげます。

 

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平成18年6月のひとりごと

5月は、各団体様の総会などを中心にパーティも多く、みなさまからお仕事をいただくことができました。

でもゆき乃恵の芸者衆の一人が体調を崩し、かなり長期にお仕事を休むことになってしまい、現在も思うようにお仕事ができない状態です。
お客様にも大変ご迷惑をおかけし、申し訳なく思いますが、本人もかなりつらかったことと思います。
これまでも体調が悪く、2〜3日お仕事を休むということはありましたが、これほど長期的な休みははじめての経験です。 もちろん体のことは心配ですが、同時にこの間もお仕事ができないことで、収入が全く途絶えるわけですから、体を休めれば事が解決するという問題ではありません。

今まで若さにまかせ、あまり物事を深く考えず、生活をしてきたような気がしますが、みんなせっかくがんばってくれていますので、この機会に計画性も見直し、またこんな時に生活にこまらないような方法がないか、真剣に考えたいと思っています。

6月に入り、天候も不順な毎日が続きます。みなさまも体調には充分にご留意いただき、またお会いできることを楽しみにしています。
毎回申し上げますが、いつも本当にありがとうございます。

 

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平成18年5月のひとりごと

ホームページをアップしてから多くの方にご覧いただき、内容についていろいろなご意見や、ご指摘をいただきました。大変参考になりました。ありがとうございました。

5月は11日に長唄の演奏会、12日がホテルのイベント、続いて14日が小唄、端唄の発表会にそれぞれ出演し、そのための稽古も多く、連休は朝から晩までお稽古漬けという生活が続きました。でも今はそれも何とか終わり、一区切りがついて少しはほっとしています。

今月もありがたいことに、すでに忘年会や来年の新年会のご予約を頂くなど嬉しい限りです。
ただせっかくお声をかけて下さったのに、すでにご予約をお受けしていて、伺えない場合が多くなってきて、本当に申し訳なく思っています。
お客様には不愉快な思いやご迷惑をおかけし、申し訳ない気持ちと合わせて不安もいっぱいです。
今の状態がいつまで続き、どこでどう変わるのか、自分が何をしたらいいのか?日々の生活に追われ、なかなか考える時間も無く時が過ぎますが、これから考えなくてはならないことが山積であることだけはわかっているつもりです。

さて5月は各団体さんの総会などを中心に、多くの席にお呼びいただきました。
みなさまいつもいつも本当にありがとうございます。
今、このお仕事をさせていただいて、感謝の気持ちをたくさん持てることは、とても幸せなことといつも思います。
なかなか思うように物事がいかないにもかかわらず、皆様には本当によくしていただきお礼の言い様もありませんが、感謝の気持ちを常に持って、努力をしていきたいと思います。
今月も頑張りますので、みなさま宜しくお願いします。

 

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平成18年4月のひとりごと

小さな古いアパートで始まった置屋「ゆき乃惠」でしたが、少しづつ芸者衆も増え、少し広いアパートに移り、今では古いながらも一軒家の置屋を持つことができました。
多くの方の応援のおかげだなあと、つくづく思い感謝の気持ちでいっぱいです。

今年も新年会のシーズンが終わって春がきました。
会社や団体さんでは、新年度がスタートという声を耳にしますが、私たちも何か新しい年のスタートという感じがします。

実は以前から考えていたゆき乃惠のホームページを、ここで思い切って作ることにしました。伝統を大切にしながら、新しいことも取り入れて社会的にも通用する、そんな芸者衆になりたいなあと思っています。
ホームページは多くの方に見ていただければ幸せですが、同時に私たちからお客さまへのお礼や当面の企画などをお伝えする、そんなものにしたいなあと考えていますので、皆様時々見てくださいね。

さて今月は、すぐに「つぼみの会」があります。
「つぼみの会」は、私たちゆき乃惠の芸者衆みんなが主催するもので、時々ありますイベントものとは違い、まだ人前では芸をご披露できない新しい芸者衆も、踊りや三味線などをご披露させていただき、その成長振りをご覧いただくとともに、お客様にご意見やご指導をいただければという会です。
みんないつもとは違った緊張感で稽古していますが、昨年より少しは進歩している姿をお見せしたく、楽しみな感じもありますが、内心ドキドキしています。

先のことはともかく、とりあえず日々がんばることしか考えられませんが、これからも少しでもお客様にお喜びいただき、ご満足いただけるようがんばりますので、よろしくお願いいたします。
ゆき乃惠がホームページを持てるようになりました。嬉しいなあ。みなさまいつも本当にありがとうございます。心から感謝をしております。